佐伯城は合戦を想定して築城された近世最後の山城として注目の城である。縄張りは鶴翼の如く優美、石垣は素朴ながらたおやかで何とも戦国の威風を感じさせる城郭遺構である。国木田独歩もこの城山をこよなく愛し毎日といっていいほど登り、名作「春の鳥」の舞台となった。ひょっとして種田山頭火も登ったかもしれない。地元の愛好家曰く、「分け入っても分け入っても青い山」は、実はこの城山に詩想を得て詠んだのではないだろうかと。
戦国の築城技術が随所に見られ専門家の視点からもその復元価値は高い。文化庁の歴史的建造物の復元基準を十分に満たすことは言うまでもない。「佐伯城サグラダプロジェクト」とした背景は下表(佐伯城復元概要)に示した。天空路へ人々を導く中核的存在になれば尚よい。
佐伯城復元の意義(当会による)。
天空路を活かすもっとも手っ取り早いコンテンツが「佐伯城サグラダ・プロジェクト」ではなかろうか。佐伯地方へ天空路へ人が流れこむ誘発剤として期待のもてるプロジェクトかもしれない。一体全体、この地方は何をやらかそうとしているのか、という興味や関心が広く世間に広がるだけで成功したようなものである。